<メルマガ転載>第64回 タクシー業界への外国人雇用例

先ほど、今年の流行語大賞が発表になり、岡田監督の「アレ」が選ばれました。今日から早いもので12月ですが、2023年は関西の年でしたね。
これから2025年の万博に向けて、関西は企業も一丸となって、邁進していきそうです(笑)

また新しい技能実習制度は、16回目の専門家会議を通じ、昨日、新制度「育成就労」制度の報告書が法務大臣あてに提出されました。まずは骨子の部分ですが、今後はその枝葉の部分を纏め、24年に国会審議、26~27年からの実施となるようです。取りあえずはまだ3~4年の猶予がありますが、技能実習生を長く使っておられる事業者様は、今後の方向性を見極めていく必要がありそうです。また技能実習生の就業可能職種が、現在86職種158作業ありますが、これを「特定技能」の就業可能な12業種に狭める、とも発表されています。2019年に制定された新しい、外国人を労働者として受け入れるこの制度の、「育成労働」とは、文字通り、「特定技能」への見習い期間と位置づけされました。これにより今技能実習生が就業していて、特定技能に無い、縫製業等は、大きな転換点になります。

一方で「特定技能」についても現12業種を拡大していく事が進められており、その一つが運送業、タクシー・バス・トラックの運転手ですね。同級生に現役のタクシー運転手(大阪のタクシー会社社員)がいるので、外国人の就業について意見を求めると、
1.もうすでに外国人の採用が始まっている。主に中国人女性で永住ビザ保有者(就労に制限なし)
2.タクシー運転手を、日本人と中国人の2グループに分けて、別々の配車スケジュールを提供している
 (中国人乗客には中国人運転手)
3.中国人は、日本の給料の低さに中国へ帰国した人が多い中、このタクシー乗務員は収入がよく、人気を得ている
との情報を得ました。頭のいい経営者は、国より先に進めておられますね。同級生もこの会社の戦略に感心していました。
そんな中、政府が進めるライドシェア(いわゆる白タク)についても意見を聞いてみると、たぶん、無許可のタクシーを単に増やすのではなく、現状のタクシー会社の外注先といして、タクシー会社に許可を与えるのではないか、との事でした。すると、プロの会社で教育も受けられ、またそのライドシェアの運転手は、売上の一部をタクシー会社に収める、と新規参入に対して、既得権益団体から抵抗も低いのではないか。またその制度の上で、現状の永住ビザ取得外国人運転手を取り込み、その上で、特定技能での外国人就労が認められれば、在日留学生等へ広めていく様な、そんなイメージになります。
タクシー業界は、お客さんがおられれば、待ち時間が短縮できれば、時間当たりの単価が高く、社員も大きな収入に繋がるので、社員を集め、引き留める事が出来る業界の様です。人手不足だから、外国人にお願いするしかない、という戦略での人材不足対応では、日本人だけでなく、外国人も継続的な就業が難しくなると思われます。