特定分野の労働に対して、一定のスキルを持つ外国人が労働することが新たに許可され、
その新設された就労ビザの名称が「特定技能1号」と[特定技能2号」です。
対象職種は、日本人だけでは求人の募集が満たされない16業種のみ、と限られています。
1号の外国人就労者に対しては国民生活への影響を鑑み、第3者機関等による慎重なサポートが課せられます。
特定技能1号,特定技能2号に共通の基準
- 18歳以上であること
- 健康状態が良好であること
- 退去強制の円滑な執行に協力する外国政府が発行した旅券を所持していること
- 保証金の徴収等をされていないこと
- 外国の機関に費用を支払っている場合は,額・内訳を十分に理解して機関との間で合意していること
- 送出し国で遵守すべき手続が定められている場合は,その手続を経ていること
- 食費,居住費等外国人が定期に負担する費用について,その対価として供与される利益の内容を十分に理解した上で合意しており,かつ,その費用の額が実費相当額その他の適正な額であり,明細書その他の書面が提示されること
- 分野に特有の基準に適合すること(※分野所管省庁の定める告示で規定)
在留資格:特定技能1号と2号の違い
特定技能1号とは
特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格
- 在留期間:1年,6か月又は4か月ごとの更新,通算で上限5年まで。
- 技能水準:試験等で確認。(技能実習2号を修了した外国人は試験等免除)
- 日本語能力水準:生活や業務に必要な日本語能力を試験等で確認。(技能実習2号を修了した外国人は試験等免除)
- 家族の帯同:基本的に認めない。
- 受入れ機関又は登録支援機関による支援の対象になる。
⇒特定技能1号で上限の5年更新をされた方で、指定要件を満たした方は特定技能2号に切り替えることが可能です。
特定技能2号とは
特定産業分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格
- 在留期間:3年,1年又は6か月ごとの更新。
- 技能水準:試験等で確認。
- 日本語能力水準: 試験等での確認は不要。
- 家族の帯同:要件を満たせば可能。(配偶者、子)
- 受入れ機関又は登録支援機関による支援の対象外。
※法務省HP 出入国在留管理庁 新たな外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組(在留資格「特定技能」の創設等)より抜粋。
ここでは、「特定技能1号」の試験制度と申込について簡単に説明します。
特定技能1号取得には、日本語能力と技能が必要
在留資格「特定技能」は16分野の産業に認められており、対象としているのは「一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人材」です。
・生活や従事する業務に必要な日本語能力
・各特定分野における技能(一定の専門性・技能で即戦力として必要な知識や経験)が一定以上にあることが求められます。
「特定技能」の在留資格を取得するには、「技能試験」と「日本語試験」の両方に合格する必要があります。この2種類を併せて「特定技能評価試験」と呼んでいます。
2020年4月1日より、国内での試験で受験内容が緩和されました。
在留資格がある外国人(=不法在留者など在留資格を持っていない外国人以外)は、日本での在留経験、期間に関係なく受験可能です。
観光ビザなどの「短期滞在」でも受験ができるので、観光を目的とし試験受験のために来日、という選択肢も広がっています。
また、現在技能実習生として来日している外国人の方も実習実施期間中の受験が可能です。
日本語試験について
各分野共通で、2試験のうち、どちらかの試験の合格が必須。
※介護分野のみ、2試験どちらかの合格+介護独自の日本語試験(介護日本語評価試験)の合格が必要です。
日本語能力試験 JLPT N4以上
一番有名な日本語試験で、従来から外国人労働者の日本語能力を証明として利用されてきました。
難易度がN1~N5の5段階の基準があり、N1が最高です。特定技能1号はN4以上が求められます(N4は日常生活での日本語を理解ができる)。
日本語能力試験 JLPT [国際交流基金/日本国際教育支援協会] リンクはこちら
国際交流基金日本語基礎テスト JFTB
特定技能制度の開始に伴い出来た新たな日本語試験となります。日本語能力試験 JLPTとの違いは
特定技能向けであること、国外での実施であり実施頻度が多い。
外国人労働者達の状況に応じて選択肢が増えました。
日本語基礎テスト JFTB [国際交流基金] リンクはこちら
技能試験について
技能試験は、各分野で大きく異なります。
特定技能対象16分野の中で、特に「介護」、「宿泊」、「外食業」の技能試験が先行しています。
これら3分野については、当面の間は技能実習2号修了者がおらず(今回から追加されました)
また介護分野について弊社は特に力を入れております。
特定技能1号外国人の受入れには技能試験が必須であるので、この3分野には特に技能試験の準備と制定が急がれました。
残り9分野については、2019年秋以降に順次実施されていますが、当分の間は技能実習2号修了者からの移行(=試験免除)が中心となります。
国内で試験を実施する場合、
(1)退学・除籍処分となった留学生
(2)失踪した技能実習生
(3)在留資格「特定活動(難民認定申請)」により在留する者
その在留資格の意味合い上、技能試験の受験資格を認めない、とされているので注意が必要です。
(各特定技能分野運用要領に記載)
各分野事の試験日程などについては、以下の各リンク先をご参照ください。
また業種ごとに実施国が異なりますが、技能試験に関してフィリピンやベトナム、インドネシアなどで実施されています。※2021年度
各分野ごとの実施は以下の通りになります。
- 日本語基礎テスト(各分野共通)日本国内+11カ国
- 介護分野:日本国内+10か国
- ビルクリーニング分野:フィリピン
- 製造3分野:なし
- 建設分野:日本国内、ベトナム、フィリピン
- 造船・船用工業分野:なし
- 自動車整備分野:日本国内、フィリピン
- 航空分野:なし
- 宿泊分野:日本国内
- 農業分野:日本国内+11カ国
- 漁業分野:日本国内
- 飲食料品製造業分野:なし
- 外食業分野:フィリピン・カンボジア・インドネシア・ミャンマー・タイ・スリランカ
※詳しくは特定技能総合支援サイトをご参照ください
弊社ではフィリピン・ベトナム・インド・ネパールから「特定技能」就労者を、日本企業へご紹介させて頂きます。
※新たな外国人材の受入れ及び共生社会実現に向けた取組
(在留資格「特定技能」の創設等)
専門的・技能的な分野とは
介護、ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、自動車運送、鉄道、林業、木材産業 の16分野が対象です。
特定技能16分野について詳しく下記参照
※この16分野のうち、15分野について、試験合格により就業期限のない特定技能2号へ転換が可能
※残る介護分野については、5年以内に介護福祉士の資格取得で、同じく就業期限のない「介護ビザ」へ変更が可能
特定技能16業種(産業分野)業務一覧表
対象職種は、日本人だけでは求人の募集が満たされない16業種のみ、と限られています。
特定技能(産業分野)は以下の12業種が指定されていました。これに4業種が2024年度から追加されています。
*各項目をクリックすると詳細にスクロールします。
| 分野(業種) | 受入れ見込数(※1)(※2) | 分野別所管省庁 | 雇用形態 | 従事する業務 |
1 | 介護 | 135,000人
(※1)50,900人 | 厚生労働省 | 直接 | ・ 身体介護等(利用者の心身の状況に応じた入浴,食事,排せつの介助等)のほか,これに付随する支援業務(レクリエーションの実施,機能訓練の補助等)(注)訪問系サービスは対象外
〔1試験区分〕
|
2 | ビルクリーニング | 37,000人
(※1)20,000人 | 直接 | ・建築物内部の清掃
〔1業務区分〕 |
3 | 工業製品製造
旧)素形材産業 | 80,000人
(※1)34,000人 | 経済産業省 | 直接 | ・機械金属加工
・電気電子機器組立て
・金属表面処理
・紙器・段ボール箱製造
・コンクリート製品製造
・陶磁器製品製造
・紡織製品製造
・縫製
・RPF製造
・印刷・製本 〔10業務区分〕 |
4 | 建設業 | 80,000人
(※1)34,000人 | 国土交通省 | 直接 | ・型枠施工・左官・コンクリート圧送・トンネル推進工
・土工・屋根ふき・電気通信・鉄筋施工・建設機械施工
・内装仕上げ/表装〔11 業務区分〕 |
5 | 造船・舶用業 | 36,000人
(※1)11,000人 | 直接 | ・造船
・舶用機械
・舶用電気電子機器
〔3業務区分〕 |
6 | 自動車整備業 | 10,000人
(※1)6,500人 | 直接 | ・自動車の日常点検整備,定期点検整備,分解整備
〔1業務区分〕 |
7 | 航空業 | 4,400人
(※1)1,300人 | 直接 | ・空港グランドハンドリング(地上走行支援業務,手荷物・貨物取扱業務等)
・航空機整備(機体,装備品等の整備業務等)
〔2業務区分〕 |
8 | 宿泊業 | 23,000人
(※1)11,200人 | 直接 | ・フロント,企画・広報,接客,
レストランサービス等の宿泊サービスの提供 〔1業務区分〕 |
9 | 農業 | 78,000人
(※1)36,500人 | 農林水産省 | 直接
派遣可 | ・耕種農業全般(栽培管理,農産物の集出荷・選別等)
・畜産農業全般(飼養管理,畜産物の集出荷・選別等)
〔2業務区分〕 |
10 | 漁業 | 17,000人
(※1)9,000人 | 直接
派遣可 | ・漁業(漁具の製作・補修,水産動植物の探索,漁具・漁労機械の操作,水産動植物の採捕,漁獲物の処理・保蔵,安全衛生の確保等)
・養殖業(養殖資材の製作・補修・管理,養殖水産動植物の育成管理・収獲(穫)・処理,安全 衛生の確保等)
〔2業務区分〕 |
11 | 飲食料品製造業 | 139,000人
(※1)34,000人 | 直接 | ・飲食料品製造業全般(飲食料品(酒類を除く)の製造・加工、安全衛生) 〔1業務区分〕 |
12 | 外食業 | 53,000人
(※1)30,500人 | 直接 | ・外食業全般(飲食物調理,接客,店舗管理) 〔1業務区分〕 |
13 | 自動車運送業 | 24,500人 | 国土交通省 | 直接 | ・バス運転者
・タクシー運転者
・トラック運転者 〔3業務区分〕 |
14 | 鉄道業 | 3,800人 | 直接 | ・運輸係員(運転士、車掌、駅係員)
・軌道整備・電気設備整備・車両製造・車両整備 〔5業務区分〕 |
15 | 林業 | 1,000人 | 農林水産省 | 直接 | ・育林、素材生産、林業種苗育成等
〔1業務区分〕 |
16 | 木材産業 | 5,000人 | 直接 | ・製材業、合板製造業などに係る木材の加工工程及びその附帯作業等
〔1業務区分〕 |
(下段受入れ見込み数*1 2019年4月から5年間の最大受け入れ見込数)
(上段受入れ見込み数*2 2024年4月から追加5年間の最大受け入れ見込数)