<メルマガ転載>第47回なぜ「永住ビザ」に価値があるのか?

今週は、外国人が日本に滞在すためのビザについて、ご説明したいと思います。
日本へ在留するためのビザは、以下の28種類。大きくは、1)活動内容に応じたビザ、2)身分や地位に応じたビザの2通り

1)活動内容に応じた在留資格
公用、教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能、技能実習、文化活動、短期滞在、留学、研修、家族滞在、特定活動
2)身分や地位に応じた在留資格
永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者

1)のビザは、日本人ではなかなか出来ない仕事や活動だから、外国人を招聘する必要がある、という前提で、その会社・団体、もしくは個人が、その外国人を呼び寄せるためのビザ(在留資格認定証)を入国管理局に申請します。中でも一般的なものは、
【技術・人文知識・国際業務】通訳、語学教師、貿易業務、デザイナー業務、IT関連に就業される方のビザにあたり、就業期間の上限なし、最長5年の在留期間が与えられます。入国すぐは1年、これを更新することで、3年・5年と延長されます。在留資格の延長には、また入管に申請が必要となり、新規在留カードの発行時に4千円の印紙を用意する必要があります。
【特定技能】2019年4月に生まれた新しい在留資格で、弊社が力を入れています。就業対象は12業種で、それぞれ細かく、就業可能な業務範囲が定められています。最長1年の在留期間が与えられ、毎年延長更新により、通算5年間の就業が可能です。特定技能には1号、2号が存在し、2号になれば就業期間の制限が無くなります。また家族を呼び寄せることも可能になります(但し家族の就業は禁止)
【技能実習生】日本の技術を、アジアを中心とした後進国の労働者に覚えてもらい、3年もしくは5年の在留期間後、帰国し、その国内で習得した技術を、母国で活用してもらう、事を目的としたビザです。期間は1年、2年。当初は本制度の前提上、満了後に帰国が必須条件でしたが、既定の試験等の合格により、希望をすれば、一時帰国が不要で、前の特定技能ビザに切り替えて、就労を続けることが出来るようになりました。特に2021年からのコロナ禍での国境封鎖により、帰国できない技能実習生やそのまま雇用主が特定技能ビザに切替え継続雇用する、という例が大きく増えました。
【留学】本邦の大学・短期大学・高専・高校等にて教育を受ける活動。就業は出来ませんが、資格外活動の許可を得ることで28時間/週の就業が可能になります。一般的には、このビザを取得し、日本語学校で就業しながら、日本語を勉強し、卒業後専門学校や大学に進学するための在留資格です。他の資格に比べ取得が用意で、また、海外の送出し機関から、28時間/週の就業で充分稼げる、と吹き込まれ、日本へ来たものの、授業料や家賃を払うだけで収入は一杯一杯になり、途中挫折して帰国する外国人も少なくありません。一方で【特定技能】の在留資格が2019年に生まれ、こちらのビザに変更し、フルタイムの労働者に変わる、という移籍組も多くなりました。コロナ禍で国境を閉鎖以降、日本語学校は生徒不在で大変な経営状況に陥りましたが、就学中に【特定技能】へ変更し、就業する外国人も増え、苦戦している学校も多いと思われます。【特定技能】は、フルの給料を貰いながら、日本語のOJTオンジョブトレーニング、という使われ方もあるようです。
一方で、先号で触れたように、英語が堪能なフィリピン人の中では、【特定技能】で5年間就業し、お金を貯めて、他の先進国の大学等へ留学、卒業後にその国で就職し、永住ビザ取得を目指す、カナダなら1年の就業で、永住ビザの取得も可能になる、と言っていました。

では、その永住ビザと上記のビザは何が違うのか?
それは、永住ビザには、上記労働系ビザのように、雇用主や団体の招聘が不要になります。つまり、仕事等に縛りがなくなり、どこででも働くことが可能になります。残寝ながら、労働系のビザは、仕事をする会社が決められており、退職すると在留資格を失います。また退職して他の仕事をすると「脱走」とも呼ばれます。加えて戸籍が無く、日本のパスポートももらえません。選挙権もありません。しかし、ビザの変更なしで、自分で仕事を選んで就業が出来ます。日本人と同等な環境が手に入るのです。当然更新も7年間は不要になります。更新には、日本語の申請書類の作成が必要となり、お金と時間がかかります。活動に応じた在留資格の場合は、日本人の雇用機会を奪うことのないような、日本人ではなかなか出来ない職業でしか就職できませんが、永住ビザを取得すれば、日本人と同じ仕事が可能になります。
ではその永住ビザを取得するには?日本では一般的に10年の就業経験に加えて、申請時に充分な収入や住居を確保しているか等、厳しい審査を経て取得が可能になります。【技能実習生】【特定技能(1号のみ)】の期間は、この10年にカウントされません。また例外的に、【配偶者】の在留資格であれば、最短3年で、永住ビザに変更が可能です。10年以上結婚生活を続けることが難しいという事なんでしょうね(笑)

日本も外国人の国内就労に関して、大きな道を開いたという感はありましたが、就業期間の制限や永住ビザへの制限が変わらないことから、就業している外国人の運用が見えてきました。せっかく日本を愛して、わざわざ日本に来て頂いて、日本語も一生懸命勉強してくれている外国人を、他の先進国に送るためのトランポリンでは、日本の役割が正しいのか、疑問が沸きます。いわゆる移民問題を、日本がどう扱うのか、という結論の先延ばしになっている感が強いですね。

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