<メルマガ転載>第54回2重国籍容認国へ

今日の日経新聞2面の記事から。
蓮舫議員が2重国籍をかくして当選した、と一時期話題になりましたが、国家公務員や防衛関係の仕事では、2重国籍者は、国家機密の漏洩の観点から排除されます。小職の弟の息子もアメリカで生まれ2重国籍を所持していますが、防衛大学を卒業後、2重国籍を理由に、防衛庁への就業を棄却されました。
記事の様に、日本は2重国籍を禁止していますが、アメリカは容認しているので2重国籍所持者がおられます。また日本に長く住んでいる中国人の知人が帰化し、失敗した、とも言っています。それは中国に帰った時に、中国人としての権利を失い、ビザ等が必要になってしまった、との事。
所持者にはメリットが大きく、2国のパスポートを所持し、空港の通関では行きも帰りも入国者として空いているレーンを使えます。それぞれの国で財産を所有出来ます。当然就業も自由です、労働ビザ不要です。教育や福祉についてもそれぞれの国の制度を受けられます。先の国家機密部門への就業に制約があるものの、それを大きく上回るメリットが享受出来ます。
国としても、そんな2重国籍を容認することにより、国民の国際化による生産性の向上を期待するのですね。アメリカ・カナダ・英国・フランスを始め93カ国が容認。国内の外国人のみ2重国籍を容認するのは、23カ国。国外の自国民のみ容認するのは32カ国。
容認しないのは、日本・中国・インド・サウジアラビア・シンガポールの42カ国、と圧倒的に少ないグループになります。そんな非容認国で厳格な国籍管理を敷いてきたドイツが、今回、容認へカジを切る、最短3年でドイツ国籍を追加取得出来るようになる、という記事です。
日本にいる外国人をお世話してきて、「帰化」は勧めていません。メリットがあるとすれば、世界一ビザなしで訪問できる国が多い、日本のパスポートを持てる点のみ。自分の生まれた国の権利を捨てることは、あまりにもったいない。。
世界的には既に複数の国籍を認める国は、8割に達しており、出生率の世界最低水準である韓国も11年に国籍法を改正し、「国籍唯一の原則」から転換している。
外国人の活用を勧めている日本政府が、永住ビザの要件の厳格さから、アジアの人に見捨てられている昨今、この記事書いたライターも、日本政府はこんな手段もあるよ、というメッセージであると感じ取れた。2重国籍を非難する政治家には引退頂き、「ボーダーレスで活躍できる人財に、日本国籍をお取りいただきたい」と、岸田さん、発信くださいませ、期待しております。

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