<メルマガ転載>第76回 「育成就労」閣議決定、技能実習に代わる新制度

今日のニュースで、主題の技能実習制度に代わる「育成就労」が閣議決定がなされ、今国会で成立すれば2027年から新制度が始まることになりました。
色々ニュースで取上げられ、その制度に関わる企業や技能実習生はやきもきしていたと思いますが、言い換えればまだ3年は続く制度なので、技能実習生は現状のまま、問題なしですね。現行の特定技能の予備軍に位置し、3年間以内に特定技能の試験を合格し、特定技能1号への転籍を目指すとの事。
まだそれらの労働給料水準等の全体像が明らかではありませんが、現行特定技能労働者より待遇は低くなる事が予想されます。
じゃあ、その新制度を使ってどんな外国人が就労するのか?、という点がとても気になります。
現在弊社でご紹介しています「特定技能」候補者は、現行の「技能実習」を3年間良好に満了した経験のある外国人のみならず、学校や独学で特定技能の資格を取得して就業される方も多いので、新制度「育成就労」を使って日本で働きたい外国人は、母国で学校へ行けない・独学で特定技能試験に合格ができない外国人を対象とする事になり、あえて現行の「特定技能」の資格を満たさないを企業が受け入れるのか?
技能実習生の場合は「特定技能」労働者と比べ、賃金は最低賃金、ボーナス無、3年間転職不可、寮で相部屋OK等の条件での雇用が可能であったので、その制度を使わなければ存続できない企業もあるはずです。よって現行の実習生受入れ企業の対応、そしてその制度を変更し、果たして受け入れたい企業があるのか?という点が大きな疑問となります。
また現在の実習生を管理している「組合」も死活問題です。技能実習制度が無くなれば彼らの売上が消えてしまいます。このままでは存続が危ぶまれるので、現行の「特定技能」制度へウェイトをシフトして行くことになりそうです。

前回のメルマガでもご紹介しましたが、次の4月からの「特定技能」受入れ定数は82万人。昨年末までの過去5年弱の実績就業者数約21万人に制度のなくなる現行技能実習生36万人を加え57万人がベースになるのであれば、6割程度の増加になり、政府の予測は、そこまで多くの外国人労働者を受け入れるつもりは無い、とも受け取れますね。
現在の「技能実習生」受入れ企業の今後の動向も気になります。