<メルマガ転載>第149回 数字に騙されない外国人政策の読み方

今週24日付の日経新聞記事「労働者不足43万人、外国人(育成就労)で補完 27年度から」で「育成就労43万人」という数字を受けて、外国人政策をどう読み解くべきか?について整理したいと思います。
1. 「育成就労43万人」という数字の受け止め方
24日の日経新聞では、2027年4月から始まる「育成就労」の受入れ上限が 2年間で43万人 と報じられました。
一見すると大きな数字に見えますが、私はこの数字を 「拡大」ではなく「置き換え」 と捉えています。
現在、日本には 技能実習生が約45万人 在留しています。技能実習制度は今後廃止され、育成就労へ移行していくため、技能実習生が3年程度でゼロに近づき、その受け皿として育成就労43万人が設定されている、と考えると、人数規模は実質的に横ばいなのです。

2.政府が本当に恐れているもの
政府が最も警戒しているのは、「外国人労働者が急増している」という社会的な不安です。
そのため、入口(育成就労)は抑制的、人数を急激に増やさない、管理が可能な範囲にとどめる
という設計が随所に見られます。これは、人手不足対策というよりも、「社会として受け止め切れるか」への配慮 と言えます。

3. 本当に増やしたいのは「定着人材」
一方で、同時に進められているのが 特定技能制度の拡充 です。特定技能は16から19分野へ拡大
特定技能2号は在留期限なし、家族帯同も可能
つまり政府の本音は、数は入口で抑える、定着は出口で進める、というものです。
短期労働者を大量に入れるのではなく、長く日本で働き、生活する外国人を増やしたい、という方向性は一貫しています。

4.そして企業側が考えるべき視点
この流れの中で、企業に求められるものは明確です。「採れるか」より「選ばれるか」、制度をどう使うかより「どう定着させるか」、
安い労働力ではなく「戦力として育てる覚悟」。育成就労は名前の通り、“育てる前提”の制度 です。
採用して終わり、ではなく、3年後・5年後を見据えた設計がなければ、制度の恩恵は受けらないでしょう。

さて、これで2025年も終わります。メルマガの読者の皆様、大変お世話になりました。
小職も今週64歳に突入し、夢の年金受給者が目の前に!日本の将来のために尽力する年齢になります。来年もよろしくお願いいたします。
では、皆様、良いお年を!